社員インタビュー:青野 真之(e-Sports事業部) 思考の過程が見えるように
社員インタビュー:青野 真之(e-Sports事業部)
Sekappyでは「e-Sports事業部」という部署による社内開発事業も行っており、いくつかのプロジェクトをチーム単位で開発しています。今回は、そんなe-Sports事業部のエンジニアリング統括マネージャーをしている青野 真之さんにインタビューを行いました。
※インタビューはオンライン通話で行われました。
マネージャーの仕事とMTGアリーナトーナメントプラットフォームについて
――「まず、青野さんの主なお仕事の内容を教えてください」
青野「社内の開発部門のマネージャーとして働いています。いくつかのプロジェクトが同時に進行しており、それらの進捗管理やプロジェクト間の人員調整、コードのレビューなどが主な仕事です。また、案件によっては実際にコードを書いて実装に携わることもあります」
――「かなり幅広く活躍されているんですね。社内の開発というと、現在SekappyではMTGアリーナのオンライントーナメントプラットフォームの開発(※以下「PF開発」と表記)を行っていますが、その開発チームもマネジメントされているんですよね」
青野「そうですね。もう少し詳しく説明すると、上(役員など)からの課題を細分化し、タスクという形に落とし込んでメンバーに開発に当たってもらう、というのが開発チーム内での僕の役割ですね。それらを実施する上で、チームメンバーのアサインを行ったり、実際に書いてもらったコードをレビューしたりといった感じです」
――「なるほど。PF開発について少し掘り下げたいのですが、今回はクラウドファンディングも実施しており、開発時点ですでにたくさんの方からご支援をいただいていました。その分ユーザーのみなさんからの期待も大きく、プレッシャーもあったかと思うのですが、そうしたプレッシャーは開発チームのメンタルの部分に影響がありましたか?」
青野「プレッシャーというよりは、みなさんが注目してくれているのが嬉しかったですね。週例会議でもみんなでクラウドファンディングのページを開いて『今何万行ってるよ』など議題に挙がることも多くて、むしろ士気が上がっていたくらいです。実際、僕が想定していたより開発日数も巻けているくらいなので(笑)」
――「みなさんのご支援が、開発チームにも良い形で影響していたんですね。開発を進めていく中で、大変だったことはありますか?」
青野「今回のPF開発はLINE内アプリ開発プラットフォームを利用しているのですが、このプラットフォームの利用自体が初めてだったので、仕様の把握は少し大変だったかもしれません。現在は解決していて、マジックプレイヤーにとって便利な機能も実装できています」
――「具体的にどのような機能でしょうか?」
青野「まだ開発途中なので確かなことは申し上げられませんが、デッキ登録などをスムーズに行うことができるようにいろいろと調整を行っています。また、大型トーナメントを実施した際のマッチ間の待ち時間を減らせるような仕掛けも考えています」
――「MTGアリーナのトーナメントプラットフォームでできることを簡単にご説明いただけますか?」
青野「アプリ内で大会の情報を調べることができて、参加申し込みと大会当日のチェックイン、デッキ登録、対戦相手とのマッチング、結果報告など、トーナメント参加に必要なほとんどの機能をLINE内アプリ上で完結させています」
――「ありがとうございます。次に、コロナ禍へのご対応など、開発の体制に関するお話を伺いたいと思います」
コロナ禍での開発事情
――「新型コロナウイルス感染症の影響で、現在でもSekappyの社内開発事業ではリモートワークが実施されています。特に青野さんの場合、会社がリモートワークに移行していく中で、その環境づくりの中心に立つことも多かったと思うのですが、リモートワークにシフトしていく上で、大変なことなどはありませんでしたか?」
青野「もちろん大変なこともありましたが、他の企業などと比べると比較的スムーズにリモートワークにシフトできたんじゃないかと思っています。というのも、実は新型コロナの影響が出る前、去年の秋ごろからリモートワーク実施に向けた環境作りを進めていたんです。これは災害時や交通機関の都合で出社が難しい状況に対応するためだったのですが、結果的にうまく噛み合いました。ただ、それでもいくつか課題はあります」
――「課題ですか。どのようなものでしょうか?」
青野「まず個々人の稼働時間が読みにくいので、時間単位で作業を振るのは少し難しいですね。オフィスワークであれば、『その場にいる≒稼働できる』というのが目に見えますが、リモートだとそういうわけにもいきません。また、実機が必要なシチュエーションでは出社しなくてはならないので、そこはネックですね。とはいえこればかりは物理的な問題なので、実機については、オフィスに出社している人がいる場合には自宅に郵送してもらうようにしています」
――「なるほど。稼働時間が読みにくいというのは、進捗管理などにも影響してくるのかなと思うのですが、そうした課題にはどのような解決方法を採っているのでしょうか?」
青野「開発チームのメンバーで毎日30分~1時間程度の昼礼ミーティングを行っています。これは進捗管理の意味合いもありますが、短い時間でも毎日話す機会を作ることで、コミュニケーションロスによるトラブルを防ぐ目的もあります。なので全員に最低限『今やっている業務内容、その進捗、これからやること』について話してもらうようにしています。また、業務の中での疑問点などがあれば気兼ねなく発言してもらってその場で解決したり、場合によってはSlackで文字ベースでログを残しながら解決方法を探ることもあります」
――「毎日の昼礼ミーティングですか。まめにコミュニケーションを取ることを重要視されているんですね」
青野「そうですね。開発は個人プレーではなくチームプレーなので、誰か一人に何かを任せきりにするようなことはほぼないです。また、コミュニケーションコストを下げるためにも、堅くなりすぎないようにゆるい雰囲気で繋がれるように意識しています。プレビュー期間中には新カードの話をしたり……業務と関係ない話ができる環境は、むしろ積極的に作っていきたいですね」
Sekappyで働くための資質
――「技術的な話は別として、青野さんが考える『Sekappyで働くための資質』はどのようなものでしょうか?」
青野「一番重要なのはコミュニケーション能力ですね。報連相という話だけでなく、引っ込み思案にならない積極性が大切です。僕は採用担当ではないのであくまでも個人的な考えですが、一緒に働くのであれば『技術70点+コミュニケーション能力30点』の人より、『技術30点+コミュニケーション能力70点』の人の方が嬉しいですね」
――「そこまでコミュニケーションを重視するのは、やはりチームで開発を行う上でそうした能力が重要だからということですか?」
青野「そうですね。開発におけるタスクは上から降ってくるだけではなく、ミーティングの中で自分たちで課題を見つけてタスクを生み出すこともあります。また、メンバーが相互に関わりを持つことでナレッジも共有しやすくなり、チーム全体の技術的な水準も上がっていきます。幸いにもSekappyではマジックという共通語があるのでメンバー同士の仲もいいですし、コミュニケーションは取りやすいと思います」
――「Sekappyでは、『Sekappyプログラミングチャレンジ』のような企画も実施しています。たとえばこうした企画で技術力以外の部分をアピールするには、どのようなアプローチを行えばいいでしょうか?」
青野「そうですね……チームで開発を行う能力のアピールとして、たとえばGithubにログを残してもらったり、何らかの形で思考の過程が見えるようになっているといいですね。評価がしやすいことももちろんですし、実際にチームの一員として働いてもらう場合にも、『どうしてこうしたのか』といった部分がはっきりと言語化されていると効率がいいです。前回のイベントに参加してくださった方の中に、課題挑戦の様子を動画で配信している方がいらっしゃいましたが、そうしたアプローチも『思考の過程が見えるようになる』一つの形として印象に残っています」
――「社内での開発でも、『思考の過程が見えるようになる』取り組みは行われていますか?」
青野「はい。分かりやすい例の一つとして、最近社内ではGoogle Meetなどを利用してペアプログラミング(※2人のエンジニアが共同でコードを書く開発スタイル)を取り入れています。コーディング中の思考の過程をお互いに見ることができますし、効率のいいやり方や間違いの修正をその場で行えるので、初学者にとってのメリットも大きいです」
――「なるほど。今回は貴重なお話ありがとうございました」